5ADAY 野菜・果物で、毎日げんきに

一般社団法人 ファイブ・ア・デイ協会

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2月2日 果物に関するオンラインセミナーのご報告

5 A DAYセミナーのご報告

2021年2月2日開催

テーマ
 「増やせ!果物大好き、げんきっ子
  ~『果物と健康』研究に基づく食育実践アイデア~」

 


■概要

  果物は果糖が含まれるから健康に害を及ぼす? 糖分が多いから肥満・糖尿病につながる――?
 消費者が果物に対し誤ったイメージを持つことが、日本人の果物摂取量低迷の一因とされています。特に心身の成長と食習慣の形成期にある子どもたちは、自らが食事・食品の選択権を持っておらず、周囲の大人の嗜好や与える環境に大きく影響されやすいものです。
 当協会では、「果物と健康」の研究に長く携わってこられた矢野昌充先生を講師に迎え、消費者が抱きがちな「誤解」を果物と健康の学術研究に基づいて解き、食育活動に活かすアイデアや事例を学ぶオンラインセミナーを開催致しました。


■日時:2021年2月2日(火) 15:00~16:00

■方法:ウェブセミナー配信システム GigaCast使用

■テーマ:「増やせ!果物大好き、げんきっ子
  ~『果物と健康』研究に基づく食育実践アイデア~」

■講師:アドバイザリーボード「フルーツ広場」 矢野 昌充 様
 


■資料ダウンロード

セミナーに関する資料(PDF)がダウンロードできます。

【1】講演資料: 矢野昌充様210202
【2】「果物が好きになるパンフレット」
【3】「果物が好きになる資料集」
【4】
「食育事例①」

【5】「食育事例②」
 


※【2】【3】は、講師・矢野昌充先生が所属されているアドバイザリーボード「フルーツ広場」が、公益財団法人中央果実協会の協力で刊行した資料です
 


■セミナー動画 (配信は終了しております)


■質疑応答集 こちら

■アンケート結果 こちら

■セミナー内容

●果物が健康に良いとする疫学的証拠が国の内外で蓄積され、健康効果が明らかになっている(主要な成果を上記「果物が好きになる資料集」の中で紹介している)。一方、果物に含まれる糖分・果糖に対する誤解が消費者の「懸念」となり、摂取拡大の足を引っ張っているようにも思えることから、果物の糖分・果糖が実際に人の健康を害しているか疫学研究事例で検証を行った。
 

●果物(みかん)摂取量と有病者の比率を調べた静岡県民対象のアンケート調査では、みかんをよく食べる人は、食べない人に比べ健康問題を抱える率が低かった(図1)。また、静岡県三ヶ日町で10年間行った前向きコホート研究では、β-クリプトキサンチンの血液中濃度からみかんを多く食べていたと見られるグループは、2型糖尿病をはじめ(図2)、骨粗しょう症、動脈硬化症、肝機能異常症、脂質代謝異常症などの生活習慣病は、調査期間中10年間の発生・罹病が少ない結果だった(上記「果物が好きになる資料集」の中で詳しく紹介)。
 以上から「果物(みかん)の摂取が増えると健康を害するかもしれない」との「懸念」は否定された。


図1

図2

●果物はビタミン、ミネラル、抗酸化成分、食物繊維などの優れた供給源である。カリウム制限が必要な腎臓疾患など果物摂取が推奨されない場合もあるが、日本糖尿病学会刊行「糖尿病診療ガイドライン2019」は、「純粋果糖(果物)は一定量までは糖尿病に影響を与えない」としている。また、日本糖尿病学会編「糖尿病食事療法のための食品交換表 活用編 献立例とその応用」では、糖尿病患者の食事でも1日80kcal(一単位)が果物に割り当てている。
 

●世界保健機関(WHO)は糖質制限を提言したが、問題視されるのは果糖ぶどう糖液糖を含む清涼飲料水等の大量摂取であり、果物・野菜は有害とする証拠がないことから提言から除かれている(食品安全関係情報詳細 (fsc.go.jp))。健康を害す量の果糖(50g/日程度)を果物だけで摂取するには、かなりの量が必要で現実的ではない(みかん2個200gに含まれる果糖は約15g)。
 

●優れた健康効果がある上に世界に誇るおいしさのわが国の果物を、日本の将来を担う子どもたちに好きになっていただきたい。果物関係者が知恵を絞り子どもたちへ働きかけた事例では、以下の反応を得た(出自:果樹試験研究推進協議会会報  問合せ先 fruits_hiroba@yahoo.co.jp )。
 

・子どもたちは生産者の苦労話を聞くと、その果物を喜んで食べるようになることが多い。

・給食関係者と生産者とが連携することで、いろいろな果物を安定的に食べさせる道筋がつき、生産者は子どもたちが喜ぶ姿を直接見られ、外観や形状に必要以上にこだわらず提供できるメリットもありそうだ。

・子ども時代においしい果物を食べた経験が果物好きになることにつながるように思われる。

・親子で楽しむジュース絞りや料理作り、果皮を使った手遊び、農産体験などが、子どもたちの果物・野菜嫌い解消につながった。

●演者は現在キウイフルーツ農家となり、おいしいキウイを学童保育等地域の子どもたちに食べてもらっており、私の周りはキウイ、果物好きっ子でいっぱいだ。5 A DAY協会会員皆さんの果物・野菜摂取啓発、食育活動に今後も大いに期待している。

●アドバイザリーボード「フルーツ広場」では、子どもたちをはじめ多くの消費者に果物の種類、栄養、機能性、果物の育種、栽培、貯蔵、おいしさなど多方面から果物を知ってもらい、果物好きになってもらえるよう情報発信をしている。

資料についてはメールにて、 fruits_hiroba@yahoo.co.jp までご相談ください。

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