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野菜・果物に関するFAQ

Q and A

15. 野菜と葉酸の関係について教えて下さい。

葉酸は、ほうれん草の抽出物から見出され水溶性ビタミンB群の一つで、ラテン語の葉を意味する「folium」と「酸」を意味する「acid」から「Folic acid」と命名された成分です。葉酸は、巨赤芽球性貧血の予防因子として知られていますが、最近では動脈硬化の危険因子となるホモシステインレベルの増加抑制、妊婦の方では胎児の神経管閉鎖障害の抑制に関与していることが明らかにされてきています。

通常の食材中に含まれている葉酸は、その構造中に複数のグルタミン酸が付いた形態(プテロイルポリグルタミン酸)として存在しています。通常、この形態の葉酸が体内に吸収されるためには、消化管でグルタミン酸が1つの形態(プテロイルモノグルタミン酸)にまで分解されなければなりません。一方、加工食品に添加されたり、サプリメントとして利用されたりしている葉酸はプテロイルモノグルタミン酸の形態であり、体内への吸収性が高いことが知られています。ちなみに、プテロイルモノグルタミン酸の形態で葉酸を摂取したときの吸収性を100%とすると、食材として摂取したときの葉酸の吸収性は約50%と報告されています。

葉酸はその名称の由来から葉物の野菜などに含まれていますが、レバーなどの動物性食品にも多く含まれています。もし、葉酸を効率的に摂取するのであれば、サプリメントとして利用することも一つの方法です。しかし、葉酸をプテロイルモノグルタミン酸として大量摂取(〜500 mg/日)すると悪影響(神経障害,発熱,じん麻疹,紅斑,そう痒症,呼吸困難)が発生することも報告されています。なお、私達が習慣的な食生活で摂取する際に必要な葉酸の量は、成人では240μg/日程度、悪影響の心配がない上限摂取量はプテロイルモノグルタミン酸としては1000μg/日、食材から摂取する葉酸としては1700μg/日と見積もられています。以上のようなことから、もし私達が日常の食生活で十分な葉酸が摂取できない状況において葉酸を効果的に摂取したい場合はサプリメント等の利用も選択枝の一つです。しかし、野菜等の食材中には葉酸以外の既知のビタミンやミネラル、未知の有効成分が含まれていることも忘れてはいけません。総合的な栄養素等の摂取を考えるならば、基本的には野菜等の食材として利用することが、安全で安価な方法といえます。

(文責 梅垣敬三)


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