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野菜・果物に関するFAQ

Q and A

16. サプリメントと野菜の違いは何ですか。

一般にサプリメントとは、不足する成分の補給・補完を目的として利用するもので、ある特定成分を濃縮した錠剤やカプセル剤の形態をしたものが該当します。このようなサプリメントが野菜の代替品になるでしょうか?正解はおそらくNoでしょう。

野菜等個別成分のヒトにおける機能性研究の項目の野菜成分等の機能性研究結果の解釈の図3(野菜等の加工と含有成分の生体利用性の関係)に示したように、食品を加工していきますと、ある特定成分が濃縮され、私達の体内に吸収されやすい形になってきます。しかし、これは特定成分のみに着目した現象です。野菜中には、私達の体に必要なビタミンやミネラル、食物繊維などの既知成分、さらに多くの未知成分が含まれています。食材として利用する場合は、これらの成分を全て摂取することができます。一方、特定成分のみに着目したサプリメント等の加工品では、着目した特定成分以外のものは除去されていますので、それらの成分は摂取することができません。

さらに重要なことは、私達がこれまで摂取してきた食材として利用することが、安全であり安心できます。食材として利用するときは、食材のもつ容積・味や臭いが、過剰摂取の歯止めになっています。すなわち、これが私達の食経験によって支えられた食品の安全かつ安心できる摂取方法になっています。一方、サプリメントとして利用する場合はどうでしょうか?サプリメントでは特定成分を容易に連続して大量摂取できるため、過剰摂取による悪影響がでる可能性もあります。良い例としてレバーやウナギなどに含まれるビタミンAがあります。よほど好きな方でもレバーやウナギを毎日摂取される方はいないと思います。しかし、サプリメントとしてビタミンAを摂取する条件では、容易にビタミンAを過剰摂取してしまい、妊娠初期の方では胎児に奇形を起こす可能性が高くなります。サプリメントは、食事として量的に摂取できない方が必要最小限の条件で利用するものであり、食事から種々の成分を摂取できる方には必要ないといっても過言ではありません。さらにサプリメントの中でも、その有効性・安全性の科学的根拠が蓄積されたビタミンやミネラルと、それ以外のものを区別する必要があります。ビタミンやミネラルについては、私達が健康を維持するためにどれだけの量が必要であるかの推定量が示されています。一方、それ以外の成分については、必要量や安全性についての科学的根拠が現時点ではありません。

以上のことを考えれば、必要な成分は先ず野菜として摂取することが、安全・安心かつ効果的であり、サプリメントが野菜の代替品にはならないと解釈できます。

(文責 梅垣敬三)


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