野菜・果物に関するFAQ
Q and A
28. リンゴのみつはどうして出来るのですか?
リンゴの果肉の一部が水浸状になっている部分はみつといわれ、蜜の入っているリンゴは消費者に人気があります。みつは、外から人為的に注入したものと誤解されることもありますが、樹上でリンゴが完熟する過程で自然に発生したものです。リンゴは細胞と細胞の間に空気が多く含まれているのですが、みつのように見える部分ではそこに養分が詰まっているために水浸状になっています。みつが入っているとおいしいのですが、みつは全ての品種で発生するわけではなく、‘ふじ’や‘デリシャス’などに多い傾向にあります。みつは木になっているときに生じ、貯蔵中に徐々に少なくなっていきます。
リンゴでは、光合成によってつくられる同化産物がソルビトールに変換されて葉から果実に転流し、果実内で果糖(フルクトース)などの糖に変換されるのですが、完熟期にはすでに細胞内が糖で飽和されているためソルビトールは細胞の中に入れず細胞と細胞の間に蓄積するため、水浸状になると考えられています。従って、みつ入りリンゴは完熟になるまで木になっていたことの証明です。このみつの部分にはソルビトールが多く含まれおりさわやかな甘さが感じられますが、ショ糖(スクロース)などの糖は他の部分と比べて多いわけではありません。ただ、みつ入りリンゴは、完熟しているためあまり日持ちしないことから、新鮮なうちに食べるのが味を楽しむコツです。