野菜・果物の健康維持機能に関する研究動向
6. 果物の機能性に関連する物質
カンキツに含まれるフラバノン配糖体:カンキツに普遍的に含まれるフラボノイド.ウンシュウミカンはナリルチンやヘスペリジンを含み,これらには苦味がない.一方,ナリンジンやネオヘスペリジンは苦く,グレープフルーツの苦味はこれらに由来する. |
ポリメトキシフラボノイドの一つでウンシュウミカンなどのカンキツ果皮に含まれる成分. | リンゴ果皮に含まれるフラボノール.配糖体で存在 | 多くの植物に含まれるポリフェノール. |
リンゴに含まれるジヒドロカルコン | リンゴに含まれるポリフェノール | ブドウに含まれるポリフェノール |
アントシアニジン:植物内ではカンキツフラバノン配糖体のように糖が結合した状態で存在しており,糖が結合した化合物をアントシアニンと総称する.糖の種類,結合の違いの組合せで約600種類が知られている.果実・野菜・花のもつ赤色から紫色はこのアントシアニンに由来する. |
植物に広く分布するポリフェノール | カンキツに含まれる交感神経作動薬 | ブンタン類の果皮に含まれるクマリン |
カンキツの苦味成分:リモニンやノミリンは苦味を有するが,通常は糖が結合した構造で存在し,このものは苦味を有しない.果汁を搾る時などに糖が外れることがあり,その一部は自然に環を作り苦味の原因になる. |
カロテノイド:果物・野菜の黄色色素.構造のなかに水酸基(OH)を持つカロテノイドは,脂肪酸が結合した状態で植物内に存在している.ヒトの血中では脂肪酸が外れた状態で見いだされる. |