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健全な食生活における野菜・果物の重要性

2. 1日に推奨される野菜や果物の摂取量

a. 「食事摂取基準(2005年版)の活用」にみる野菜・果物の推奨量

前のページで野菜・果物は低カロリー、低脂肪で、ビタミン、ミネラル、食物繊維の重要な給源であることを示しました。私たちが1日に摂取することが望ましい各栄養素の量は、5年毎に改定されてきましたが、2005年度よりは「日本人の食事摂取基準(2005年版)」(2)が使われることになりました。

食事摂取基準が決められている栄養素はエネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食物繊維、13種のビタミン、13種のミネラルです。エネルギーでは推定エネルギー必要量、他の栄養素ではそれぞれに応じて推定平均必要量、推奨量、目安量、目標量、上限量を、各年代別、性別、妊婦、授乳婦別に設定されています。エネルギーでは、日常の身体活動レベルに応じて設定されています。脂質では、総脂質としては1日に摂取するエネルギーに対する割合で適切な範囲(20〜30%)、飽和脂肪酸、n-6系脂肪酸、n-3系脂肪酸、コレステロールが設定されています。食物繊維では目安量と目標量として示されています。

食事摂取基準は栄養素の量として示されていますので、専門家である栄養士が献立を作る場合などには大変重要な指針となります。また、国民の栄養状態を把握したり、研究のために使われる場合では摂取栄養量を計算して栄養状態の判定に使われます。しかし、一般の人々が利用する場合にはそのままでは使いにくい指標です。そこで、その他の目的も含めて食事摂取基準をもとに使いやすい指標も考えられています。その1つとし食品構成といわれる指標が出されています。新しい食事摂取基準による食品構成は、「食事摂取基準の活用」編で示されているものです。

すなわち、食事摂取基準(2005年版)を満たすためには、野菜であれば1日に350gから400g、果物であれば皮を除いた量で150gから200gになっています。

なお、平成21年8月に新しい食事摂取基準「日本人の食事摂取基準[2010年版]」が発表されていますが、これに対する食品構成はまだ発表されていませんので、ここでは[2005年版]の活用編をそのまま掲載しました。

表1 年齢区分別食品構成からみた野菜類、いも類、きのこ類、海藻類、果実類
食品群18-69歳
(2,000kcal)
18-69歳
(2,400kcal)
70歳以上
(1,200kcal)
70歳以上
(1,600kcal)
野菜類(計)400400350350
  緑黄色野菜140140120120
  その他の野菜260260230230
いも類60803555
きのこ類202055
海藻類151555
果実類150200150180

(食事摂取基準(2005年版)活用編より作成)

(文責 池上幸江)


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