食事バランスガイドでは、副菜である野菜を主材料とした料理を1日に5つ(SV※)程度、350g食べることを目安にしています。
「ほうれん草のおひたし」や「野菜サラダ」のような小皿や小鉢に盛られた量を「1つ(SV)」と数えます。
「野菜炒め」のように大きめの皿に盛られた野菜料理は1皿分で「2つ(SV)」と数えます。
「野菜炒め(2つ)」+「ほうれん草のおひたし(1つ)」+「野菜サラダ(1つ)」+「きんぴらごぼう(1つ)」=合計5つ(SV)と考えます。
細かい量にとらわれず、上の写真を参考におおまかに食べる量を把握してみてください。
※SVとはサービング(食事の提供量の単位)の略
ほうれん草のおひたし、きんぴらごぼう、野菜サラダ、野菜炒め
「ファイブ・ア・デイ」とは、食べた野菜の量を数えるための便利な合言葉です。
小皿1皿分の野菜料理を70gとし、食べたお皿の数だけ「ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ」と数え、1日5皿=350gの野菜摂取を目指します。これは食事バランスガイドの副菜(野菜料理等)「5つ(SV)」と同じ量を表しています。
果物は大きいものを「1個」、小さいものを「2個」と数え、 1日「2個(200g)」食べることを目標にしています。こちらも、食事バランスガイドの果物「2つ(SV)」と同じ量を表しています。
1991年にアメリカで始まった「5 A DAY運動」は、やがて世界に広がり、多くの国で野菜・果物をもっと食べて健康に気をつけようという運動が盛んになっています。現在、日本以外に、イギリス・オーストラリア・カナダ・デンマーク・ドイツ・ハンガリー・オランダ・ノルウェー・スウェーデン・ニュージーランドなど、約30カ国で取り組まれています。
日本では厚生労働省が健康づくり運動「健康日本21」を提唱し、国民の生活習慣病を予防するという観点から、1997年当時の1日当たりの平均野菜摂取量292gから350gへと、摂取量を増加することが指標の目安となりました。それを受け、日本では2002年にファイブ・ア・デイ協会を設立し、「1日に5皿分(350g)以上の野菜と200gの果物を食べましょう」をスローガンに、子どもから大人までを対象にした、さまざまな食育活動を行っています。
「5 A DAY運動」で重要な役割を果たしているのが流通企業です。スーパー店頭に置かれるPOPや商品パッケージを使って主婦ら買い物客へ向け「野菜・果物を食べよう」というメッセージを発信しています。
イギリスのスーパーでは青果物のパッケージに、1商品でとれる野菜摂取量を記し(ポーションインディケーター)、「野菜・果物を食べましょう」といったメッセージを添え、野菜・果物消費促進と健康のため「5 A DAY運動」を積極的に推進しています。
また、同じくイギリスでは、4~6歳の幼児を対象に、「The School Fruit and Vegetable Scheme(SFVS)」を実施。週3回、にんじんやトマト、バナナなどの野菜または果物を学校で無料配布し、摂取量を増やそうとする活動も実施されています。2000~01年に500以上の学校で試験的に実施された後、2004年までにイギリス中西部やロンドンなどで導入され、計100万人の幼児たちが参加しました。
ニュージーランドでは、幼稚園などで「5+A Day絵画大会」を開催したり、幼児向けのクールキッズ料理番組を放送しています。
アメリカのドール・フードカンパニーでは、5~10歳児を対象に「5 A DAYプログラム」を1991年より実施。CD-ROMなどで楽しく学習できる内容です。
参考
海外の5ADAY活動:http://www.5aday.net/about_history.html
日本の企業が取り組む5ADAY活動:http://www.5aday.net/for_company_commoner.html#03
英国における5ADAY活動:http://www.nhs.uk/livewell/5aday/Pages/5ADAYhome.aspx
アメリカドール・フードカンパニー活動:http://www.5aday.net/report_old/html/r/r_006.html
内閣府「諸外国における食育推進政策に関する調査報告書(平成19年3月)」