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野菜・果物の健康維持機能に関する研究動向

4. 野菜に含まれる個別成分の機能性に関する研究調査

c. 野菜個別成分の臓器別研究動向

 野菜の個別成分がどのような目的もしくは観点から研究されているのかを知る手がかりとして、その研究対象臓器(組織)を調べてみました。

 血液を対象とした「血液凝固系」に対する野菜個別成分の影響を研究したものが最も多く、次いで、「脳神経系」、「肝代謝系」、「膵血糖系」、「免疫系」、が続き、それに加えて「心循環系」、「脂質代謝系」、「血管内皮系」、「骨代謝系」に関する研究の順になっており、この傾向は概ね前年と同じでした(図4)。このような臓器組織系はどれも、いわゆる生活習慣病に直結するような機能を有するものであり、社会的な要請があるということにもなると思われます。

 図5は、図4のデータを使用して野菜の個別成分毎にその研究対象組織の内訳を示したものですが、各成分の研究対象組織は成分によって微妙に異なっており、成分毎の作用(機能)の違いを想像させます。因に、カプサイシンは脳神経系の論文は非常に多く目立つが、これはカプサイシン受容体の研究が含まれているためです。

図4
野菜個別成分の研究に関する研究対象(組織)別発表論文数
野菜個別成分の研究に関する研究対象(組織)別発表論文数
拡大図

図5
各野菜個別成分に関する研究対象(組織)別発表論文数
各野菜個別成分に関する研究対象(組織)別発表論文数
拡大図

(文責 篠塚 和正)


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